1.食品表示法ができた背景は?

~消費者の賢い食品選びのため、食品の栄養やアレルゲンの表示をより分かりやすく。
肉や魚、野菜や果物などの生鮮食品、ハム・ソーセージやチーズ、レトルト食品やスナック菓子などの加工食品、あるいはコンビニや持ち帰り弁当店などで売られている弁当や惣菜など、様々な食品が私たちの栄養となって健康を支えています。
食品を購入する際、食品の原材料や原産地、含まれている栄養成分や添加物などを参考にする人は多いと思いますし、食物アレルギーを持つ人ならば、アレルゲンが含まれているかどうかも大事な情報になるでしょう。
これらの情報を表す食品表示の仕組みは、これまで目的の異なる3つの法律にもとづいてそれぞれに整備されてきました。
例えば、食品に使われている原材料や内容量(重量や容量)、原産地などの表示は、品質に関する適正な表示により消費者の選択に資することを目的としたJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律。現在は「農林物資の規格化等に関する法律」)によって定められ、食品に使われている添加物やアレルゲンについては、食品安全にかかわる食品衛生法によって定められていました。また、食品の名称や製造者の名前、賞味期限や消費期限は、JAS法と食品衛生法の両方に定められていました。そして、食品に含まれているたんぱく質や脂質、炭水化物といった栄養成分やエネルギーが表示されている場合があり、こちらは健康増進法によって定められていました。
このように目的の異なる3つの法律にルールが定められていたために、制度が複雑で分かりにくいものとなっていました。

そこで、これら3つの法律の食品表示に関する規定を統合した「食品表示法」が平成27年(2015年)4月1日に施行され、一元的な食品表示の制度がスタートしました。
新しい食品表示制度では、従来の表示ルールを一元化することで消費者と食品の製造・流通にかかわる事業者の双方にとって分かりやすく使いやすい制度にし、特に次の3点が大きく変わりました。

・栄養成分表示の義務化
・アレルギー表示の改善
・「機能性表示食品」の新設

この3つのポイントを主に、新しい食品表示制度について説明します。

<ご注意>
一斉にすべての食品表示が変わるわけではありません。~食品によって猶予期間があります。

店頭に並ぶすべての食品の表示が、すぐに新しい表示になるわけではありません。以前の制度による表示が印刷された商品や包装材(ラベル)の在庫を抱えている事業者もあるため、新しい表示に切り替えるまで食品の種類によって下記の猶予期間が設けられています。

・生鮮食品:1年6か月(平成28年(2016年)9月30日まで)
・加工食品:5年間 (平成32年(2020年)3月31日まで)
・添加物:5年間 (平成32年(2020年)3月31日まで)

※機能性表示食品については、新しい制度のため猶予期間はありません。

2.加工食品の栄養成分表示が義務化
~健康な食生活のための情報として5成分の表示を義務化
栄養成分表示とは、どんな栄養成分がどのくらい含まれているのかを、一目で分かるようにしたものです。
従来は、健康増進法によって、「主要な栄養成分」として、(1)熱量(エネルギー)、(2)たんぱく質、(3)脂質、(4)炭水化物(糖質及び食物繊維でも可)、(5)ナトリウムの量を表示することや、ビタミンやミネラル、糖類、飽和脂肪酸、コレステロールなどを「その他の栄養成分」として、主要な栄養成分の次に表示することなどが定められていました。
この栄養成分表示は、これまで事業者が表示する・しないを決められる「任意表示」であり、すべての食品に表示されているものではありませんでした。しかしこれからの食品表示制度では、原則として、すべての加工食品と添加物に栄養成分表示が義務づけられました。
表示が義務づけられた栄養成分等は、次の5つです。

・熱量(エネルギー)
・たんぱく質
・脂質
・炭水化物
・ナトリウム

このうち、ナトリウムは、原則として「食塩相当量 何g(グラム)」のように、食塩相当量に換算して表示されることになりました。ナトリウムと食塩相当量は同一ではありませんが、食品表示法では一般消費者に分かりやすい食塩相当量に換算することとしました。(なお、ナトリウム塩を添加していない場合のみ、任意ルールで食品に含まれるナトリウムの量を示し、その後に食塩相当量を括弧付きで表示することができます)

また、義務表示の対象ではない栄養成分(糖類、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラル類等)は、表示するかどうかは事業者に任される任意表示となっていますが、積極的に表示することが望ましい栄養成分として「飽和脂肪酸」、「食物繊維」を推奨しています。

なお、栄養成分の表示を省略できるものとして、下記のものがあります。
(1)商品が小さいために包装などに表示できる面積が小さいもの
(2)酒類
(3)栄養の供給源として寄与の程度が低いもの(例えば、茶葉やその抽出物、スパイス等)
(4)極めて短い期間で原材料が変更されるもの

また、小規模事業者が販売するものも、栄養成分の表示を省略することが認められています。

3. 栄養成分表示の省略が認められている食品は何ですか?

2015年9月1日
栄養成分表示の省略が認められている食品は次のとおりです。

1.容器包装の表示可能面積がおおむね30cm2以下であるもの
2.酒類
3.栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの
4.極めて短い期間で原材料(その配合割合も含む。)が変更されるもの
5.消費税法(昭和63年法律第108号)第9条第1項において消費税を納める義務が免除される事業者が販売するもの
(課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者)
当分の間、中小企業基本法に規定されている小規模事業者(おおむね常時使用する従業員の数が20名以下
(商業・サービス業は5名以下)が販売するもの

栄養の供給原としての寄与の程度が小さいもの
次のいずれかを満たすもの

(1)熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムの全てにおいて、0と表示することができる基準を満たしている場合
(2)その食品から1日に摂取する栄養成分の量や熱量が、社会通念上微量である場合
例えば、コーヒー豆やその抽出物、ハーブやその抽出物、茶葉やその抽出物、スパイス等

極めて短い期間で原材料が変更される食品
次のいずれかを満たすもの

(1)日替わり弁当(サイクルメニューを除く。)等、レシピが3日以内に変更される場合
(2)複数の部位を混合しているため都度原材料が変わるもの(例:合挽肉、焼肉セット、切り落とし肉等の切り身を使用した食肉加工品、白もつ等のうち複数の種類・部位を混合しているため都度原材料が変わるもの)